『エンゼル・ハート』俳優たちの知られざる9つの裏話

『エンゼル・ハート』俳優たちの知られざる9つの裏話
1987年に制作されたアメリカ映画「エンゼル・ハート」。英国人監督アラン・パーカーが織りなすこだわりの映像美と、音楽を生かした演出で見事な作品になっていました。しがない探偵ハリー・エンゼルが不思議な依頼人ルイス・サイファーから人探しの依頼の受け、行く先々で殺人事件に巻き込まれていきます。ハードボイルドミステリの体裁を取りながら、実はオカルトでもありサイコミステリでもある作品でした。

1978年に発表され廃刊運動まで起きた原作を映画化するために「最高のキャストが必要だった」と語ったアラン・パーカー。その言葉どおり、この人でなければならないとしか思えない俳優陣が揃っています。それぞれの俳優たちの裏話を通じて「エンゼル・ハート」をより一層楽しめるようご紹介します。ネタバレ有りでご覧ください。



 

『エンゼル・ハート』
俳優たちの知られざる9つの裏話

 


その1:ミッキー・ローク


主人公の探偵ハリー・エンゼルを演じるミッキー・ロークは1952年生まれ、ニューヨーク出身の俳優です。映画デビューは1979年ですが、注目を集めたのは1981年の「白いドレスの女」からでした。その後はその甘いマスクとセクシーな魅力でアメリカのセクシーシンボルと言われるまでになりました。この「エンゼル・ハート」が制作された頃はミッキー・ロークが人気絶頂だった時期にあたります。そして監督のアラン・パーカーは、ただのセクシーな二枚目だけではないミッキー・ロークの俳優としての凄みを存分に引き出しています。

 


その2:ロバート・デ・ニーロ


謎の依頼人ルイス・サイファー役がロバート・デ・ニーロです。1943年ニューヨーク生まれの彼は現代の名優といって間違いないでしょう。「ゴッドファーザー PART II」でアカデミー助演男優賞を、「レイジング・ブル」ではアカデミー主演男優賞を受賞しています。その役作りの徹底ぶりは有名で、俳優が徹底した役作りをすることをデ・ニーロ・アプローチと呼ぶようになったほどです。今回もだんだんと不気味さを増していく依頼人の役を徹底的にこなしています。

 


その3:シャーロット・ランプリング


退廃の空気を漂わせた美しい占い師マーガレット。退廃と美女の言葉が揃ったならばこの人しかいない女優がシャーロット・ランプリングです。イギリス生まれですが数ヶ国語が堪能で、その知性と物憂げな眼差しが彼女の存在を際立たせています。ヒロインというには出番が少なすぎて、しかも心臓を抉られて殺されるという役にこの人はもったいないと思わずにいられません。けれど、では他の誰にこの役が似合うのでしょうか。そう考えるとやはり最高のキャストとしか言えません。

 


その4:リサ・ボネット


ジョニー・フェイバリットの娘、エピファニーを演じるのはリサ・ボネット。「ザ・コスビー・ショー」の次女役でアメリカではおなじみの女優さんです。1967年生まれ、カリフォルニア出身の彼女は劇場映画第1作目がこの「エンゼル・ハート」でした。ピュアという表現がぴったりな瑞々しさが印象的です。母役のイバンジェリンの名は、死んだ後にやっと恋人とお墓で並ぶことができたというロングフェローの悲恋の詩から取られています。そしてエピファニーという名は「神聖なるものの顕現」の意味があるのでした。

 


その5:ブラウニー・マッギー


ジョニーの友人役のトゥーツを演じるブラウニー・マッギー。彼の映画出演作はこの「エンゼル・ハート」1作だけです。なぜならブラウニー・マッギーは俳優ではなく知る人ぞ知るブルース・ミュージシャンだからです。劇中の1曲のために歌の上手い俳優ではなく本物のブルース・ミュージシャンを頼んだ、監督の音楽へのこだわりが生んだキャスティングです。

 


その6:プルート・テイラー・ヴィンス


過去の映画でほんのチョイ役だった人がだんだん大きくなってくるというのも映画の楽しみのひとつです。「エンゼル・ハート」がほぼデビュー作で、同じ年に「バーフライ」でミッキー・ロークと再び共演し、「レイジング・ブル」ではデ・ニーロと共演しました。アラン・パーカー監督作「ミシシッピー・バーニング」「愛と悲しみの果て」にも出演しています。「海の上のピアニスト」では主人公の親友役でナレーションも担当しました。そんなプルート・テイラー・ヴィンスの本作での役柄は、ハリーを逮捕する若い方の刑事なのでした。

 


その7:シャーロット・ランプリング


退廃美を体現した女優シャーロット・ランプリング。「愛の嵐」があまりにも有名ですが、「さらば愛しき女よ」でも謎めいた美女を演じています。そして「さらば愛しき女よ」の原作はハードボイルドミステリの巨匠レイモンド・チャンドラーです。それを考えるとマーガレットの配役に彼女を選んだのは実は何重もの意味があるのです。

 


その8:ロバート・デ・ニーロ


長い爪と五芒星がデザインされた大きな指輪。映画史に残るゆで卵の食べ方。ロバート・デ・ニーロの役作りは本作でも完璧の一言です。「アンタッチャブル」で禿頭を作るために髪を剃るのではなく1本1本抜いたというデ・ニーロのこだわりは作中に遺憾なく発揮されています。最高のキャストを求めた監督にとって、ルシファー役はデ・ニーロしか考えられなかったのでしょう。

 


その9:ミッキー・ローク


セクシーな二枚目俳優としての絶頂期に、ミッキー・ロークは突然ボクサーになると宣言しました。結果ボクサーとしてのキャリアだけではなく、俳優としてのキャリアもほぼ失いました。低迷を続けた後、2008年の「レスラー」で素晴らしい演技を見せて復活します。ただの二枚目俳優ではないと証明した彼の、若き日の最高傑作と言えるのがこの「エンゼル・ハート」です。旬の輝きと俳優としての凄みをこの作品で堪能して欲しいと心から思います。

 

「エンゼル・ハート」の俳優たちの裏話、いかがでしたか。実力派俳優がその人にぴったりのキャスティングで生き生きとスクリーンに映っていましたね。俳優のあれこれを知ってこそ作品への理解も深まるかと思います。存分に「エンゼル・ハート」をお楽しみください。

 

☆おすすめ映画☆
・レスラー
・レイジング・ブル
・さらば愛しき女よ
・チャイナ・タウン
・海の上のピアニスト

 

まとめ

『エンゼル・ハート』
俳優たちの知られざる9つの裏話

その1:ミッキー・ローク
その2:ロバート・デ・ニーロ
その3:シャーロット・ランプリング
その4:リサ・ボネット
その5:ブラウニー・マッギー
その6:プルート・テイラー・ヴィンス
その7:シャーロット・ランプリング
その8:ロバート・デ・ニーロ
その9:ミッキー・ローク