『アルカトラズからの脱出』は1979年に公開された、主人公モリスがアラカトラズ刑務所からの脱獄に挑戦する内容の映画です。サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島にはアルカトラズ刑務所があり、そこは一度入れば脱獄は絶対に不可能と言われていました。そんなアラカトラズ刑務所に入所したモリスは、その優秀な頭脳を活かし、様々な障害をクリアしていきます。最後までハラハラする作品です。
しかし、脱獄不可能と言われたこの刑務所と映画のストーリーには多くの逸話があり、そちらも映画と合わせて楽しめる要素となっています。今回は『アルカトラズからの脱出』の裏話について紹介したいと思います。
『アルカトラズからの脱出』
登場俳優たちにまつわる9つの裏話
1.映画のモデルがいた
実は『アルカトラズからの脱出』は実話に基づいた映画だったのです。「ザ・ロック」の異名を持つアルカトラズ刑務所では多くの囚人が脱獄を試みており、再逮捕・射殺・溺死がいる中、行方不明が5人います。そのうちの3人が今回のモデルとなっています。映画同様、実際に脱獄した3人の行方はいまだにわかっていません。
2.刑務所はセットではなく本物を使用
実話に基づいた映画ということでしたので、もちろん、アルカトラズ刑務所も実在しています。映画では、実際のアルカトラズ刑務所を撮影現場として使っています。リアリティがあるのも頷けますね。現在は観光施設になっており、ダミー人形なども置かれています。
3.船も当時のものだった
映画冒頭でモリスが刑務所につれてこられる船は当時、囚人護送で使われていた船を使っています。ちなみに映画で実際に船を運転していた方が持ち主です。彼の名前は看守の名前に使われていて、クレジットされています。さりげないところにも当時のものが使用されているので、作品にも雰囲気が出ますね。
4.全部が本物ではない
当時の刑務者や船を使用し、リアリティがある作品ですが、創作ももちろんあります。たとえば、作中では金属探知器が出てきた、これは作中で重要なものとなるわけですが、実際のところ作中で使用している金属探知機は映画の舞台である1960年代初期にはまだ登場していなかったそうです。
5.映画で夜のシーンが多いわけ
映画では昼間に比べて夜のシーンが多いです。これは、緊張感や気味悪さを演出するためという理由があるかもしれませんが、実際のところ、観光地となっていたアルカトラズ島には昼間多くの観光客がいるため、夜のシーンが多くなったという経緯があります。
6.過激な刑務所だった?
脱獄不可能と言われるアルカトラズ刑務所には凶悪犯が収容されていました。食堂には催涙ガスの噴射装置が取り付けられていたり、格子は道具でも破壊できないほど頑丈なものだったりと、様々な工夫がされています。また、施設内には手りゅう弾を投げた痕もあり、脱獄や囚人たちの争いには厳しい処置がされる刑務所だったことが窺えます。
7.スターのデビュー作品
ダニー・グローヴァーと言えば、ハリウッドで最も活躍している黒人俳優のひとりであり、アメリカの映画界では欠かせない存在となっています。そんなグローヴァーですが、この『アルカトラズからの脱出』がデビュー作品なのです。この頃は端役で収監者のひとりを演じたのみでしたが、今のクローヴァーを考えるとなかなか貴重なシーンですね。ぜひ探してみてください。
8.命がけの脱獄
映画の最後では刑務所の壁を越えて海に消えていきますが、俳優たちはスタントマンを使用しませんでした。夜の撮影ということもあり、危険のともなう撮影だったため、監督のドンシーゲルも気が気じゃなかったとか。しかし、スタントマンを使用しなかったからこそ、あの臨場感が表現できたのかもしれませんね。
9.あの医師は…?
作中に出てくる医師、どのような俳優なのだろうと思った方もいるかもしれませんね。実は、あの医師は『アルカトラズからの脱出』の監督であるドン・シーゲルなのです。彼は他の作品にもカメオ出演していますので、彼の作品を改めてみてみるのも面白いですね。
如何でしょうか。
効果音や音楽がほとんどなく、薄暗く緊張感あふれる『アルカトラズからの脱出』は、こうしたリアリティを感じさせる工夫や実話があったからかもしれませんね。この記事を見て、『アルカトラズからの脱出』をもう一度見てみようと思っていただいたり、実際のアルカトラズ刑務所に興味を持っていただければ幸いです。
☆おすすめ映画☆
・ザ・ロック
・パピヨン
・ミリオンダラー・ベイビー
・荒野の用心棒
まとめ
『アルカトラズからの脱出』
登場俳優たちにまつわる9つの裏話
1.映画のモデルがいた
2.刑務所はセットではなく本物を使用
3.船も当時のものだった
4.全部が本物ではない
5.映画で夜のシーンが多いわけ
6.過激な刑務所だった?
7.スターのデビュー作品
8.命がけの脱獄
9.あの医師は…?