2005年に公開された『シンデレラマン』は世界恐慌で多くの人が絶望していた時代、一人のボクサーが様々な困難を乗り越え世界王者に上り詰める復活物語です。貧困にあえぎ、プライドを捨てた主人公の生き方は美しいとは言えないかもしれません。しかし、そんな主人公の生き方に多くの人が感動しました。その感動が生まれたのは多くのこだわりがあったからです。今回はこの素晴らしい作品を作るにあたって欠かせない俳優たちの裏話を紹介したいと思います。
『シンデレラマン』
映画の裏側!俳優たちの9つの裏話
1.本当にあった感動ストーリー
世界大恐慌時代、誰もが失意の底にいる中、ボクサーのライセンスを失効され、生活もままならない主人公が試合するチャンスを得て、世界王座に挑戦。負けるだろうという周囲の予想を覆し、世界王者に輝きました。映画らしい王道ストーリーと思うかもしれませんが、実はこれは本当にあった話だったのです。また、脚色はほとんどなく、かなり忠実に作られたそうです。
2.当時をしっかりと再現
ジム・ブラドックを演じたラッセル・クロウはファイト場面も自分でしっかり演じるため、体を鍛えました。しかし、鍛える際に現在のトレーニングをすると引き締まった筋肉ばかりの体になり、当時のジム・ブラドックを表現できないという理由で、当時のトレーニング方法で体を鍛えたそうです。細かいことですが、当時を表現するうえでとても大切なことですし、ラッセルの貪欲な姿勢に驚かされます。
3.リアリティを追求
『シンデレラマン』ではファイト場面に力を入れており、あやふやに表現するのではなく、しっかりと描かれています。そのため撮影では本物のボクサーと打ち合いをしている場面も。その際、怪我をしてしまったそうですが、それに耐えて撮影を続けたそうです。リアリティを追及して役を演じ切るというスタンスは素晴らしいですね。
4.誰もが望んだノミネート
トレーナー兼マネージャーであったジョー・グールド役を演じたポール・ジアマッテイ。演技力を高く評価されており、『アメリカン・スプレンダー』や『サイドウェイ』など、多くの有名作品に出演しています。『サイドウェイ』に出演した際、作品・監督・共演者たちがアカデミー賞候補になり、実績、実力からポールも候補は間違いないとされていましたが、候補にはなりませんでした。これに対して多くのファンを始め、批評家や俳優が不服に思いました。しかし、その悔しさを晴らすかのように『シンデレラマン』で、彼は見事ノミネートされました。
5.“普通”を演じる
ジム・ブラドックの妻役を演じたレネー・ゼルウィガー。綺麗な顔立ちとブロンドヘアーで、いつもは派手な役や活発な役を演じている印象が強いですが、『シンデレラマン』では、いたって普通の妻を演じています。自分を出さず、あくまで静かに支える役を演じるレネーに、演技力とその幅に驚かされました。
6.祖父は伝説のボクサー
サラ・ウィルソン役を演じているローズマリー・デウィット。実は彼女の祖父はこの『シンデレラマン』のモデルであるジェームス・J・ブラドックだったのです。ちなみに、ジャームスは映画内で主人公の隣人役として出演しており、祖父と孫の共演にもなっています。
7.悪役はいなかった
作中では、マックス・ベアは試合で二人殺したと周囲にアピールし、その凶悪さが表現されています。しかし、実際にベアと試合をして亡くなった人はフランキー・キャンベルひとりだとされています。また、ベアはキャンベルが亡くなったことを気に病んでおり、遺族に多額のお金を支払ったそうです。
8.俳優であり監督
『シンデレラマン』の監督であるロン・ハワードは『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』など多くのヒット作品を世に出しています。他にもプロデューサーとして『24』を手掛けるなど、映画界・テレビ界において非常に重要な役目を果たしています。そんなハワードですが、もともと俳優でした。しかし、子どもの頃から制作に興味を持っており、現在は監督業がメインですが、素晴らしい作品の数々を生み出せるのは俳優、監督どちらの立場でも考えられるからかもしれませんね。
9.好評のはずが…?
『シンデレラマン』を「派手ではないが、心温まる素晴らしい映画」と評される映画であり、何度も見たくなる作品のひとつです。演技派の俳優陣、リアルを追及した貪欲な姿勢のおかげで、演技やファイト場面の評価は高く、映画の批評も好ましい結果となりました。しかし、アメリカ、日本での興行的には成功と言えず、製作者側は落胆したとか。素晴らしい作品なので、これからでも多くの人に見てもらいたいですね。
如何でしたでしょうか。
『シンデレラマン』映画の裏側!俳優たちの9つの裏話をご紹介しました。人に感動を与える作品を作る裏側にはこのように俳優たちの演技力はもちろん、リアルを追求する貪欲な姿勢があったからなのですね。この記事を読んでもう一度『シンデレラマン』を見よう、他の人におすすめしようと思っていただけたら幸いです。
☆おすすめ映画☆
・アメリカン・スプレンダー
・サイドウェイ
・ビューティフル・マインド
・ダ・ヴィンチ・コード
・グラディエーター
まとめ
『シンデレラマン』
映画の裏側!俳優たちの9つの裏話1.本当にあった感動ストーリー
2.当時をしっかりと再現
3.リアリティを追求
4.誰もが望んだノミネート
5.“普通”を演じる
6.祖父は伝説のボクサー
7.悪役はいなかった
8.俳優であり監督
9.好評のはずが…?