2005年に公開された『シンデレラマン』はあるボクサーの人生を元にした伝記映画です。『シンデレラマン』というタイトルから幸せな家庭とボクサーの美しい復活物語を想像するかもしれませんが、この映画はかつて世界を襲った大恐慌の中、職を失いプライドを捨てて必死に生きた男の物語です。その生き方は決して美しいとは言えないかもしれません。しかし、見る人の心を惹きつけてやまないこの作品の魅力の一つ、あらすじについて今回は紹介したいと思います。
※以下、ネタバレがあります。
『シンデレラマン』
激貧ボクサーの感動の実話!9つのあらすじ
1.華やかな時代から絶望の時代へ
主人公であるジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)はボクサーとして華やかしい経歴を持っていました。何もかもがうまくいく、そんな時代。しかし、栄光と幸せに包まれている場面から一転、世界恐慌時代が訪れます。アメリカ全体が貧困にあえぎ、仕事をしたくても仕事すら見つけることができない人で溢れかえる絶望の時代へと突入していきます。
2.子どもたちを守り抜く決意
ファイトマネーの急落や仕事の減少で、豪華な暮らしからアパートで細々と暮らすようになったジム一家。ジムはボクシング以外の仕事もしていましたが、生活は貧しいまま。都会の多くの人は、子どもを育てていくことが困難で、田舎の親類に預けられていましたが、ジムは子どもたちを絶対に離さないと誓うのでした。
3.離れ離れになる家族
借金を失くすため怪我を隠して試合を続けた結果、ジムは試合中に骨折してしまいます。その試合は無効試合となり、ファイトマネーがもらえないどころか、ライセンスも剥奪されてしまいました。絶望の淵に立たされたジムは、それでも家族を養うために骨折していることを隠し、毎日働きました。しかし、借金を返すどころか熱を出した子どもを病院に連れていくことも出来ず、ついに妻のメイ・ブラドック(レネー・ゼルウィガー)は子どもたちを親類の家に預けてしまいます。
4.プライドを捨てて
仕事から帰ってきたジムは子どもたちを手放したことに驚き、メイを責めます。「貧乏に負けたことになる」と。しかし、メイは子どもたちを守るためには一時的に手放すしかなかったと訴えます。いてもたってもいられなくなったジムは家を飛び出し、生活保護を受けるため、連邦緊急救済局へ向かいました。その足でジムはボクシング協会を訪れ、ジムのオーナーたちに自分の窮状を告げ、お金を恵んでくれるよう頼みます。家族を守るため、ジムはプライドを捨てるしかありませんでした。
5.突然舞い込んだ試合話
どうにかお金を工面し、子どもたちを戻すことができたジム。そんな彼のもとへ、元マネージャーのジョー・グールド(ポール・ジアマッティ)から怪我で試合を放棄した代役として試合に出てほしいという話を持ってきます。勝っても負けても報酬250ドルが貰え、ジムにとってはありがたい申し出でした。ボクシングから離れていたジムに勝ち目はなく、一夜限りの試合でしたが、ジムはそれを受けて再びリングの上に立つことになったのです。
6.全てを懸ける
ジムが負けると誰もが予想した試合でしたが、なんとジムが3RでKO勝ちします。明日からはまた肉体労働が始まりますが、ジムは最高の引退試合をしたと満足していました。元の肉体労働をする日々に戻ったある日、ジョーがジムのライセンス再交付の知らせと共に試合のトレーニング費として175ドルをもってきたのです。喜ぶジムとは反対に夫の体を心配するメイはジョーの家に乗り込み、ジムの生活を乱さないでほしいと訴えます。
しかし、そこでメイはジョーの家に家具がないことに気が付きます。ジョーはジムのトレーニング費を出すために家具を何もかも売ってしまったのです。ジョーは生半可な気持ちではなく、全てをジムに賭けていたのです。その決意にメイは何も言えなくなってしまいました。
7.マックス・ベアとの試合要請
ボクサーとして復活したジムは2試合をして、どちらも勝利を収めました。そして、プロモーターから届いた試合要請の相手はヘビー級王座のマックス・ベア(クレイグ・ビアーコ)でした。リングで対戦相手を2人殺したマックス・ベアとの試合は命の危険を伴います。それでも家族のため、自分の誇りのため、ジムはその試合を受けることを決意します。
8.希望の光
試合当日、家族に見送られながら車に乗り込むジム。試合会場に向かっている最中、ジムの車には町中の労働者が応援の声をかけてくれました。また、夫の無事を祈るため協会を訪れたメイは、ジムのために祈る多くの人の姿を目にします。辛い時代のなか、失業者から這い上がって、家族のために戦うジムの姿は、大衆の希望の光になっていたのです。ありとあらゆる場所で誰しもがジムの試合をラジオを通して応援していました。
9.15ラウンドに及ぶ激闘
挑発的でふざけた態度のベアでしたが、7Rには本気になり攻撃をしかけてきます。打たれて倒れそうになりながらも、ジムは反撃のチャンスをうかがい、12Rにて猛ラッシュをしかけます。どちらも一歩も引かず迎えた最終15R、終了のゴングが鳴るまで相手を追い込むように打ち合いが続きました。勝敗は判定で決まることになり、誰もが固唾を飲んでそのときを待ちます。そして出た判定は、ジムの勝利。新しいチャンピオンが誕生したのです。
如何でしたでしょうか。
この時代は多くの失業者で溢れ、絶望の時代でした。そんな時代であっても家族を守るために身を粉にして働き、必死に生き抜くジムの姿に心打たれるものがあります。『シンデレラマン』は、たったひとつのチャンスからでも人は這い上がることができる、守りたいものがある人間は強いということを教えてくれました。不況と言われる現在、『シンデレラマン』を見て頑張ろうという気持ちが持てるかもしれませんね。この記事を読んで少しでも興味を持っていただければ幸いです。
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まとめ
『シンデレラマン』
激貧ボクサーの感動の実話!9つのあらすじ1.華やかな時代から絶望の時代へ
2.子どもたちを守り抜く決意
3.離れ離れになる家族
4.プライドを捨てて
5.突然舞い込んだ試合話
6.全てを懸ける
7.マックス・ベアとの試合要請
8.希望の光
9.15ラウンドに及ぶ激闘