『セクレタリー』映画やスターにまつわる9つの裏話

『セクレタリー』映画やスターにまつわる9つの裏話
ちょっとエロティックなラブコメディとしてアメリカで高い評価を得た『セクレタリー』は、SM要素だけではなく純粋な恋愛を描いた映画です。しかし、やはりSMという言葉が先にくると人は構えてしまうもの。また、そのシーンも演技によっては下品に映り、たちまちただのAVビデオと化したと思います。あくまでSMをちょっとしたスパイスにとどめ、見る人を惹きつけるラブコメディに仕上がったのは多くの人の活躍があったからこそだと思います。今回は『セクレタリー』映画やスターにまつわる9つの裏話を紹介したいと思います。



 

『セクレタリー』
映画やスターにまつわる9つの裏話

 


1.脚本はコンビで作成


『セクレタリー』では男性と女性の心理を非常に巧みに描いており、男女のどちらが見ても感情移入してしまう映画だと思います。それもそのはず、実はこの映画の脚本は男性と女性によって書かれたものだったのです。監督であるスティーヴン・シャインバーグと脚本家のエリン・クレシダ・ウィルソンのコンビにより書かれた脚本は、二人の狙い通り、男女共に惹かれてしまいました。

 


2.淡いエロスと女性の描写


『セクレタリー』ではコンビを組んで脚本を書いたエリンですが、スティーヴン監督の別作品『毛皮のエロス』や別の監督の作品『クロエ』の脚本は一人で手掛けています。彼女は淡く甘いエロスと女性の繊細な心理描写を得意としていて、他の作品でもそれは発揮されています。これを機に彼女が脚本を手掛けた作品もご覧になってみてください。

 


3.変態だけどかっこいい


サディストで変態という難しい役を演じたジェームズ・スペイダー。リーのお尻を叩くシーンや四つん這いにさせるシーンなど、下手をすればポルノシーンになってしまうところですが、彼の絶妙な演技によっていやらしさを感じさせず、しかしグレイ弁護士は変態であるという認識を見ている方に与えてくれます。さらには「変態だけど何だかかっこいい」とまで思わせてしまうのですから、彼の演技力には脱帽です。

 


4.元々は青春映画のスター


今は様々な役を演じているジェームズですが、若い頃はそのクールな二枚目で知的な雰囲気から青春映画で活躍するスターでした。特にミステリアスな役が非常に合っていて、どんな役でも彼にかかるとつかみどころのない深みを持った影のある男になり、作品を盛り上げました。ジェームズは青春映画でも主人公や明るい役ではなくダークな役を好み、その結果、その癖のある演技で数々の監督たちを惚れさせてきたのです。

 


5.新人賞を総なめ


主人公リー・ホロウェイを演じたマギー・ギレンホールは、この作品には欠かせない人物でした。SMを取り入れているため、どうしてもエロスな部分は出てしまいます。しかし、彼女はそれを下品にすることなく自然に演じています。そのためSMシーンもさっぱりと見ることができ、また、リーが徐々に快感を覚えていく様に不快感を持つにいられます。彼女のこの作品で新人賞を総なめしましたが、それも納得のいく演技力だと思います。

 


6.挨拶は「お仕置き」で


マギーがロサンゼルスのレストランで会計の列に並んでいたある日のこと、いきなり後ろからお尻を叩かれました。驚いた彼女が振り返ると、そこにいたのはジェームズでした。マギーはジャームズに抱きつき、再会を喜んだとか。そして彼女がその場から離れるとき、もう一度ジャームズは彼女のお尻を叩きました。二人にとって「お仕置き」は挨拶になったのかも?

 


7.気弱な役ならおまかせ


『セクレタリー』ではリー同様冴えない恋人ピーターを演じたジェレミー・デイヴィス。個性派俳優として知られ、出演作品では気弱な男性を演じることが多数あります。また、『プライベートライアン』ではアパム伍長役でその名を一躍有名にしました。今後の活躍がますます期待される俳優です。

 


8.走り抜けるスター人生


リーの母親役を演じたレスリー・アン・ウォーレンは女優を目指し、アクターズ・スタジオに17歳という若さで入学しました。当時では最年少での入学でした。ブロードウェイデビューを果たしたあとはいくつかの賞を受賞し、着実にキャリアを積んでいきました。その後テレビや映画の話題作に出演するようになり、その演技が高く評価されて数々の賞のノミネート、授賞を果たし、現在も話題ドラマに出演するなど、スター人生を走り抜けています。

 


9.インスピレーションを受けた作品


『セクレタリー』を撮影するにあたってスティーヴン・シャインバーク監督は、スティーヴン・フリアーズ監督の『マイ・ビューティフル・ランドレット』にインスピレーションを受けていると語っています。この『マイ・ビューティフル・ランドレット』は人種差別を含んだ同性愛が描かれている作品で、性的マイノリティや純愛という共通部分があります。監督は『セクレタリー』において、その二つを強く訴えたかったのかもしれません。

 

如何でしたでしょうか。

自分に自信がなく、職歴もなければ恋愛経験もない冴えないリーが一人の女性へと変化していくこの作品は、各俳優たちや脚本家、監督のこだわり、思いが詰まって出来上がった作品だということがわかります。この記事を見て紹介した俳優たちや関係者の方々の作品を見るきっかけになれば幸いです。

 

☆おすすめ映画☆
・毛皮のエロス
・リンカーン
・スーパーノヴァ
・プライベートライアン
・レスリー・アン・ウォーレン
・マイ・ビューティフル・ランドレット

 

まとめ

『セクレタリー』
映画やスターにまつわる9つの裏話

1.脚本はコンビで作成
2.淡いエロスと女性の描写
3.変態だけどかっこいい
4.元々は青春映画のスター
5.新人賞を総なめ
6.挨拶は「お仕置き」で
7.気弱な役ならおまかせ
8.走り抜けるスター人生
9.インスピレーションを受けた作品