『カプリコン1』銀幕スターたちの知られざる9つの裏話

『カプリコン1』銀幕スターたちの知られざる9つの裏話
『カプリコン1』は、1977年にイギリスとアメリカで共同製作された映画で、有人火星探査宇宙船「カプリコン・1」を巡るアメリカが舞台の物語です。この映画の影響で、アポロ計画陰謀論が話題になり、国家計画の威信を問われたNASAは、撮影協力を途中で中断までしたそうです。いくつもの仮説が飛び交う『カプリコン1』。その壮大な宇宙開発のストーリーを、見事に演じた銀幕のスターたちにスポットをあて、配役とともにご紹介していきます。偉大なる名優たちの70年代を堪能しつつ、ご覧になってみるのはいかがでしょうか。



 

『カプリコン1』
銀幕スターたちの知られざる9つの裏話

 


1.新聞記者のエリオット・グルード


ふとしたきっかけで、火星探索「カプリコン1」の裏に潜む陰謀を嗅ぎ付けるジャーナリスト「コール・フィールド」を演じるのが、名優エリオット・グルード。73年の「ロング・グッドバイ」でフィリップ・マーロウを熱演し、70年の「M★A★S★H マッシュ」では軍医を演じ、70年代の銀幕のスターに相応しい個性的な演技が魅力です。本作の中でもカーチェイスやスカイチェイスなど、まだCG技術がない時代に、臨場感のある演技を独特の個性で演じきっています。現在では主演作品がテレビも合わせて100本以上もあるそうです!

 


2.生き延びた宇宙飛行士ジェームズ・ブローリン


最後まで抵抗して、生き延びる宇宙飛行士「ブルーベーカー」を演じるのはジェームズ・ブローリン。政府の陰謀を伝えようと偽中継シーンで「ヨセミテへ行こう」と妻へ送ったメッセージが、陰謀を暴く鍵となります。今では白髪でダンディーなジェームズ・ブローリン。当時は「007 オクトパシー」でのジェームズ・ボンド役の候補になるほどの人気でした。ラストで妻の元へと駆けてくる演技は感動的です!

 


3.宇宙飛行士O.J.シンプソン


元アメリカンフッドボールの選手で、役者へと転向したO.Jシンプソンが演じるのは、陰謀でその存在を消されてしまう宇宙飛行士「ウォーカー」役です。アメリカンフットボール選手として数々の記録をもち、引退後もプロフットボール殿堂入りを果たす、偉大な選手でした。引退後俳優になってからも、「裸の銃を持つ男」(88年)などで人気を得るのですが、プライベートで事件を起こし、残念ながら、現在は映画への出演は難しいようです。

 


4.もう1人の宇宙飛行士サム・ウォーターストン


3人の宇宙飛行士が登場する「カプリコン1」で、ウォーカーとともに陰謀にはまってしまう「ウィリス」を演じたのがサム・ウォーターストンです。「華麗なるギャツビー」(74年)や「インテリア」(78年)など、銀幕映画への出演も多いのですが、なによりも有名なのはTVシリーズ「ロー&オーダー」でのジャック・マッコイ役。16年に渡って連続出演し、総出演回数は343回!スピンオフの映画版にも出演しています!

 


5.テリー・サバラスのスカイチェイス


映画のクライマックスのジェットヘリと複葉機のチェイスシーンで活躍するのがテリー・サバラスです。翼に宇宙飛行士のジェームズ・ブローリンをしがみつかせたまま、アクロバット飛行するという、考えてみればむちゃくちゃな事をやってのけるシーンなのですが、テリー・サバラスの強烈な個性と相乗効果になっていて、何度観ても手に汗握る名シーン!日本ではTVドラマ「刑事コジャック」の主演で有名な俳優ですが、1994年に病死し、病魔と闘いながらも出演した「バックファイヤー!」(95年)が最後の作品になっています。

 


6.夫人役のブレンダ・バッカロ


ハスキーボイスで陽気な口調が特徴的な女優ブレンダ・バッカロは、唯一生き残った宇宙飛行士の妻役で、最後の葬儀シーンでは感動的な再会を演じます!メジャーデビューとなったのが「真夜中のカーボーイ」(69年)で、ホスト買いに走るものの、相手がホモセクシャルであったという、いかにも彼女らしい役でした。「エアポート’77」(77年)「マンハッタン・ラプソディー」(96年)にも出演しています。

 


7.NASAの所長ハル・ホルブルック


打ち上げ寸前に計画を密かに中止する、NASA の所長「ジェームズ・ケロウィエィ博士」を演じたハル・ホルブルック。「ダーティーハリー2」(73年)「ミッドウェイ」(76年)をはじめとする、70年代のハリウッドに欠かせない名優の1人です。89歳になった現在も「リンカーン」(2012年)にフランシス・プレストン・ブレア役で出演するなど、銀幕スターでありながら現在も大活躍する貴重な俳優として有名です!

 


8.友人を熱演したカレン・ブラック


陰謀をスクープしようと追いかけるエリオット・グルードの友人「ジュディ」として出演するのは、アメリカンニューシネマで大活躍した名優カレン・ブラックです。74年の「華麗なるギャツビー」では、物語のキーを握る女性を熱演。ゴールデングローブ賞助演賞を受賞しました。同年の「エアポート75」では、操縦士が倒れたジェット機を、必死に操るキャビンアテンダント役を熱演し、まさに黄金期でした。ヒッチコックの遺作となった「ファミリー・プロット」(76年)にも主演。残念ながら2013年に亡くなられましたが、話題作に次々と出演する70年代を代表する女優の一人だったと言えます。

 


9.話題になったNASAの協力拒否


当時はまだ若かった銀幕のスターたちが熱演している中、協力的だったアメリカ航空宇宙局NASAが、制作報告を兼ねた試写会をみた途端、いきなり協力を拒否します。それは1969年のアポロ11号月面着陸に対して、本当は月にいかなかった反論仮説が出版されはじめ話題を集め始めたタイミングに、宇宙探検が政府の陰謀によって偽情報として伝える、仮説の確信にせまったストーリーだったからです。結局映画の中では資料映像の提供協力にとどまったNASAですが、映画の公開も日本で公開された翌年に公開が持ち越されるまで影響を及ぼしました。

 

いかがでしたでしょうか。

『カプリコン1』銀幕スターたちの知られざる9つの裏話をご紹介しました。CGで何でも表現出来るようになった現在とは違い、当時は限られた手法で、如何に本物らしく見せるかという作り手の創意工夫と、俳優の演技力が全てを握っていて、映画製作の原点を観るような作品ともいえる『カプリコン1』。70年代の銀幕スターたちの個性豊かなキャラクターにも注目しながら、鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

☆おすすめ映画☆
・ブラック・サンデー
・特攻サンダーボルト作戦
・未知との遭遇
・華麗なるギャツビー
・遠すぎた橋

 

まとめ

『カプリコン1』
銀幕スターたちの知られざる9つの裏話

1.新聞記者のエリオット・グルード
2.生き延びた宇宙飛行士ジェームズ・ブローリン
3.宇宙飛行士O.J.シンプソン
4.もう1人の宇宙飛行士サム・ウォーターストン
5.テリー・サバラスのスカイチェイス
6.夫人役のブレンダ・バッカロ
7.NASAの所長ハル・ホルブルック
8.友人を熱演したカレン・ブラック
9.話題になったNASAの協力拒否