『ゲド戦記』映画監督、宮崎吾郎の手腕が光る9つのあらすじ

『ゲド戦記』映画監督、宮崎吾郎の手腕が光る9つのあらすじ
日本のアニメ界を代表する宮崎駿監督の息子でありこれからのスタジオジブリの担い手の一人である宮崎吾朗監督の初監督作品『ゲド戦記』。アーシュラ・K・ル=グウィンさんの小説『ゲド戦記』と宮﨑駿監督の絵物語『シュナの旅』をもとに作られたこの映画は両作品の世界観を準拠しているものの原作とは違った展開を繰り広げています。宮崎吾朗監督の手腕が光る映画『ゲド戦記』のあらすじを9つにまとめてみました。以下ネタバレを含みますがよろしければご覧ください。



 

『ゲド戦記』映画監督、
宮崎吾郎の手腕が光る9つのあらすじ

 


その1 崩れゆく世界の均衡


荒れ狂う海、共食いをする竜、そして謎の奇病。世界の均衡が崩れている異常事態に憂慮していた国王は国民のためになんとか状況を打破しようと思案していたが突如暗殺者の凶刃に倒れてしまう。その正体は心の闇に支配されてしまった息子アレンだった。

 


その2 大賢人と王子の出会い


同じく世界の均衡の乱れの原因を探るために各地を旅していた大賢人。その道中で獣に襲われている少年を見つける。少年は囲まれてしまい剣を抜こうとするがふいに抵抗をやめてしまう。大賢人は不思議な力で獣を払いのき少年を助け、賢人の提案で共に旅をすることになる。影におびえる少年の名はアレン。顔に傷跡を持つ大賢人はハイタカと名乗った。

 


その3 おかしくなる世界


ホートタウンについた二人はそこで異常な光景を見る。人を売る者と買う者、まがい物を堂々と売る者、麻薬を売る者。世界の均衡が崩れている様をまざまざと見せつけられる。そこでアレンは人狩りの場に居合わせてしまう。命乞いを強要されるが「命などいらない」と言い敵を一蹴にする。アレンは追われていた少女に手を差し伸べるが払いのけられてしまう。顔に大きな火傷の跡を持つテルーと呼ばれた少女はアレンを睨み何も言わずに呼ばれた方へ走り去って行った。

 


その4 生の大切さ


アレンは人狩りの不意打ちを食らい奴隷にされかけるがハイタカのおかげで難を逃れる。その際に自分の剣をなくしてしまう。その後ハイタカの昔なじみのテナーのもとへ厄介になることに。そこで先日であった少女テルーと再会する。「命を大切にしない奴なんか大っ嫌いだ!」とアレンは罵倒されてしまう。

親に捨てられて命辛々テナーに助けてもらった過去を持つテルーは命を簡単に捨てようとするアレンを嫌っていた。一方ハイタカは町でアレンの剣を探している道中で昔、対立した魔法使いクモの情報を得る。復讐のためハイタカを探すクモ。自分の影にうなされるアレン。黒い影は着実に迫っていた。

 


その5 テルーの唄


農作業を終えてテルーを呼びに行くアレン。そこで一人たたずむテルーの歌声を聴く。アレンはその美しさに感化され自分の心の闇を彼女に打ち明け二人は和解する。しかしアレンの心はいまだに晴れずにいた。

 


その6 影


アレンは二人に迷惑をかけてはならないと一人で家を出て行ってしまう。湖を前にして丘に現れたのは自分と同じ姿をした影だった。影から逃げるように湖の中へと進み溺れてしまう。意識を失ったアレンが目を覚ましたのはクモの館だった。そこで怪しい薬を飲まされ永遠の命を得ようと誘惑されてしまう。同じころテナーの家にクモの手先が襲撃しテナーが連れ去られてしまう。ハイタカはこのことをテルーから知らされアレンの剣を預けテナーの救出に向かう。

 


その7 死の大切さ


クモの館にてハイタカはかつての敵であるクモと再会する。クモが再び禁断の生死両界を分かつ扉を開け永遠の命を得ようとしているのを止めようとするが、そこで洗脳されたアレンの攻撃を受けてしまう。かつて父にしたようにハイタカを突き刺そうとするアレン。ハイタカはアレンの攻撃を受け止め、死の大切さと永遠を得ようとする愚かさを諭す。しかしクモの力によってハイタカの力は徐々に弱まりテナーと共に囚われてしまう。

 


その8 闇と共にあるべきもの


テルーは預かった剣をアレンに渡すため道を走っていた。途中でアレンを見つけるが何も言わずに去ろうとする。そのあとを追いかけると着いた先はクモの館だった。剣をアレンに渡すように頼むアレン。アレンの姿をしたそれはアレンの影であり不安や恐怖を喰らって大きくなった心の闇に体を追い出されたアレンの心の光だった。「君と一緒に僕も行く」。影は自分の真名をテルーに伝え姿を消す。

テルーは敵兵の目を掻い潜りながらアレンの囚われている部屋へ辿り着く。アレンは大切なものが何なのか分からなくなってしまっていた。テルーはアレンに大切なものは命だと説く。生きて次の誰かに命を繋いでゆくことが大切なのだと。テルーは自分の真名を贈りアレンも渡された剣を手に二人を助けるため再起する。闇と光の両方を取り戻したアレンの心にもう迷いはなかった。

 


その9 命のために


ハイタカが処刑される前になんとか間に合ったがクモの魔法によりアレンは苦しめられる。しかしその時今まで抜くことが出来なかった剣を抜くことができたのだった。光り輝く刃でクモの右手を切り払うが隙をつかれテルーが連れ去られてしまう。屋上まで追い詰めたものの目の前でテルーを絞殺されてしまう。

朝日から逃れようとするクモ。それをテルーの声が呼び止める。テルーは朝日を背にゆっくりと立ち上がるとその姿を竜に変えクモを焼き払った。崩れゆく館から脱出し野に降り立つ少年と少女。アレンは再び国へ戻り罪を償うことを決意する。再会を約束しテナーとテルーに別れを告げハイタカとアレンは再び旅立っていった。

 

如何でしたか。

映画『ゲド戦記』は劇中では語られない設定も多くその世界観を知れば知るほど深みにはまっていく面白い映画です。予備知識や世界観を把握していなくても十分に楽しめる作品となっているのでぜひ一度見てみることをお勧めします。

そして劇中歌の「テルーの唄」とエンディングの「時の歌」を歌った手嶌葵さんの1stアルバム「ゲド戦記歌集」というものがあります。上記の二曲に加え映画制作の合間を縫って宮崎監督が作詞された歌が10曲ほど収録されています。この歌集を聞きながら原作を読むのもなかなか乙なものです。

 

☆おすすめ映画☆
・星を追う子ども
・借りぐらしのアリエッティ
・コクリコ坂から
・崖の上のポニョ
・ハウルの動く城

 

まとめ

『ゲド戦記』映画監督、
宮崎吾郎の手腕が光る9つのあらすじ

その1 崩れゆく世界の均衡
その2 大賢人と王子の出会い
その3 おかしくなる世界
その4 生の大切さ
その5 テルーの唄
その6 影
その7 死の大切さ
その8 闇と共にあるべきもの
その9 命のために