「風の谷のナウシカ」は宮崎駿監督による漫画・アニメーション作品で、1984年に劇場公開、また漫画作品は徳間書店出版「アニメージュ」の連載として1982年からスタートしました。その頃の日本はまだ高度成長を続けている時代で、世の中はますます便利になっていきました。
その中で宮崎駿監督は、敢えて終末世界を描き、人と自然との共存について人々に再認識させるべく「風の谷のナウシカ」を発表しました。この作品は日本のみならず、世界中にファンも多く、世界8カ国で出版もされている大人気漫画・アニメーションとなりました。ここ日本でも人気のスタジオジブリ作品の中で、とりわけ高評価を得ているのがこの「風の谷のナウシカ」です。
文明を崩壊させた「火の7日間」という大戦争から1000年後の荒廃した世界を舞台に、激しく汚染された土地やそこに生まれた異形の生命体、それに脅えて暮らす人々やその状況下でもなお敵対する二大列強国など、まさに現代の行く末を案ずるかのようなデストピアが描かれています。
「風の谷のナウシカ」は、主人公のナウシカを筆頭に、登場する人物たちによる名言の数々も人気の一つとなっており、聖書から引用されたと思われる箇所やウィットに富んだ言い回しなど、思わず笑ってしまったり、深く考えさせられてしまう言葉がたくさんあります。そこで今回は「風の谷のナウシカ」名言集2としまして、影で光る男性キャラの7つの名セリフをご紹介します。以下、ネタバレとなりますが、ぜひ参考にしてみてください。
風の谷のナウシカ名言集2、
影で光る男性キャラ!7つの名セリフ
その1:「また村が一つ死んだ。」
辺境一の剣士と名高いユパ・ミラルダ。ユパ様の印象的なこのセリフから物語は始まります。「行こう。ここもじき腐海に沈む。」と続き、否が応にも期待に胸が膨らまずにはいられません。ユパ様は真実を探すために世界を放浪していますが、風の谷には深い思い入れがあり、また、風の谷の人々もユパ様に対しては絶対的な信頼があります。ナウシカも同様にユパ様だけには秘密の部屋を見せるなど心を開いているのが分かります。
その2:「やっと巡ってきた幸運か?それとも破滅の罠か・・」
平民出の貧乏戦士で、クシャナ殿下の右腕でもあるクロトワの一言。世界で最も邪悪な一族の末裔である巨神兵の前でクシャナの乗った船が襲われたことを部下に聞き、そっと呟いたセリフです。野心の塊のような彼ですが、クシャナ殿下の前ではおとなしく言うことを聞く、良き部下を演じています。
その3:「味はともかく、長靴いっぱい食べたいよ。」
ペジテのアスベルがナウシカと腐海の底に落ちたとき、ナウシカに貰ったチコの実を食べて言った一言です。味はともかく、などと言うところが素直でアスベルらしいですね。腐海の底の空気や水はとても澄んでおり、動植物が生きるのに不自由のない環境が広がっていました。ナウシカが「井戸の底の砂とおんなじ。」と言うように、綺麗な水を汲み上げて風の谷を守ってきた井戸と同じような環境あったことが嬉しくて、ナウシカは自然と涙が溢れてきました。
その4:「虫と人とは同じ世界には住めないのだよ。」
こちらは腐海の底に落ちて気を失っていたナウシカが見た昔の夢の話です。当時の小さいナウシカが内緒で王蟲の幼虫を匿っていたのを、両親に見つかってしまいます。ナウシカは「悪いことしてない!」と王蟲の幼虫を庇うのですが、ナウシカの父であり、風の谷の王であるジルが言ったのがこの言葉です。自分の子どもの望むものは出来る限り与えてあげたいと思うのが親の心情ですが、ジルの今までの経験から危険であることは分かりきっており、許しを得ることはできませんでした。人間の引き起こした「火の7日間」の影響が、いつまでも続く悲惨な状態であることを浮き彫りにしています。
その5:「僕は本気だ!手を離せ!ナウシカ!みんなに知らせろ!」
腐海からペジテについたアスペルとナウシカは、崩壊したペジテの街を見て驚きます。アスペルは戻ると自分の故郷がめちゃくちゃになっているのですから驚くのも当然でしょう。しかし、これはシャナたちのトルメキア軍に占領されたアスペルの仲間であるペジテの人々が、トルメキア軍を全滅させるために王蟲に襲わせたものでした。
そして、アスペルの仲間たちは、次に風の谷を王蟲に襲わせる計画を話していました。ナウシカは驚き、すぐに風の谷の人々に知らせに行こうとしますが、計画が失敗に終わらないようにペジテの人々はナウシカを捕えようとします。そこで彼らの仲間であったアスペルはナウシカを守るために、自分の仲間を裏切ります。結局その場ではどうにもできませんでしたが、一緒に過ごした数日でナウシカの優しさや想いに触れ、仲間を裏切ってまで協力したいと思ったアスペルが叫んだこの言葉はまさに名言でしょう。
その6:「ああ、生きてたよ。短ぇ夢だったな。」
先ほどご紹介したクロトワですが、結局クシャナ殿下は生きたまま風の谷に戻ってきてしまったため、右腕の自分が殿下になるという淡い期待は脆くも崩れ去りました。その場面で放った一言。このあとはすぐに身を翻して、殿下ー!!と叫んでクシャナのもとにすぐに駆け寄っていく従順な部下でもあります。この後に、まだ完全体でない腐ったままの巨神兵をトルメキア軍は使用しますが、結局すぐに崩れ去り、過去の二の舞を踏むことは逃れる事ができました。
その7:「多すぎる火は何も生みやせん。火は森を一日で灰にする。水と風は百年かけて森を育てるんじゃ。」
クシャナに降伏を求められていましたが、断固としてそれを拒んでいた風の谷の住人たちですが、クシャナが再び降伏を勧めた際に、風の谷の古老が言った一言です。彼ら自身も腐海の毒に冒されていましたが、ナウシカと同様、彼らもまた自然との共存を望んでいました。人の欲望で行われる過剰な行為はロクな結果を生まないということを彼らは言い伝えやナウシカの姿勢から常に学んでおり、この言葉が出てくるに至ったのでしょう。それほどまでに人間の欲望の力は凄まじく、また恐ろしくもあります。感受性の高いクシャナ殿下はこの風の谷の住人たちを見て、自分のしていることに対しての疑問を少しずつ持ち始めるようになります。
如何でしたか。
「風の谷のナウシカ」はフィクション作品ですが、この中に出てくる人々は、実に様々な考え方を持っています。自分の欲望に素直に生きる者や仕方なく加勢せざるをえない者、自己を持ち、自分の気持ちに素直に生きる者など、まさに現代にも当てはまるような関係図が見えてくるのではないでしょうか。”正しさ”というものは価値観によりそれぞれですが、ストーリーの中で起こっていることを観ていると、なにか今の自分の在り方に共通する部分がきっと見つかることだと思います。この記事を参考に、ぜひもう一度改めて「風の谷のナウシカ」をご覧ください。
まとめ
風の谷のナウシカ名言集2、
影で光る男性キャラ!7つの名セリフ
その1:「また村が一つ死んだ。」
その2:「やっと巡ってきた幸運か?それとも破滅の罠か・・」
その3:「味はともかく、長靴いっぱい食べたいよ。」
その4:「虫と人とは同じ世界には住めないのだよ。」
その5:「僕は本気だ!手を離せ!ナウシカ!みんなに知らせろ!」
その6:「ああ、生きてたよ。短ぇ夢だったな。」
その7:「多すぎる火は何も生みやせん。火は森を一日で灰にする。水と風は百年かけて森を育てるんじゃ。」